西武園ゆうえんちの正直な感想
こんにちは。
先日、西武園ゆうえんちに行ってきました。
西武線では中吊り広告もずいぶん出ていて、昭和レトロをテーマにしたリニューアルがカンブリア宮殿にもとりあげられた話題の遊園地です。
リブランディングの仕掛け人はUSJ再建の立役者としても知られる森岡毅さんなんですよね。古さをレトロとして武器にすること、今は過去のファンタジーになっている昭和をテーマにする事で、時間が経っても死なないコンテンツにした手腕は流石だと思います。
実際に園内を歩いていると、さまざまな計算や戦略を感じることができたので書き出してみます。
◼️ビジネス面では
・園内では「西武園」という通貨を使用する事
・当時の価格、というコンセプトで日本円計算しにくいレートにしている
・通貨は当日限り有効である事
◼️エンタメ面では
・ショーに客を巻き込む仕組みが確立している
・ショーに参加するファーストペンギンを待たずに、雰囲気を作るために一般客の格好をしたダンサーをフラッシュモブ的に配置している
・商店街の住民はコスプレではなく、キャラクターを演じるスキルやダンススキルを持った人材をキャスティングしていること
気づいていないだけで他にもたくさんの工夫があるのだと思います。
では、ここからは課題に感じた事を書いてみます。
◼️昭和レトロをイメージしてリニューアルされているのは、入り口から半径100メートルくらいの限られたエリアである事。
→西武園遊園地は意外と広いのですが、入口からすぐのエリアが今回のリブランディング主なの対象のようです。商店街エリア以外のレオパーク、乗り物エリア、展望台アトラクションに付随する飲食施設などは飲食メニューを昭和風の名前にしている程度で、統一感のある昭和ブランディングはなされていない印象でした。
情緒あふれる昭和レトロではなく昭和の終わりから平成初期のさびれたリアルな古さなので、寒々しい印象を覚えました。
◼️飲食店のキャパシティが小さすぎる
私が訪れたのは平日で比較的空いている日でしたが、商店街の飲食店は1-2時間の待ちが発生していました。休日はもっと並ぶそうです。来園客の事前期待のひとつに「昭和グルメの体験」があると思います。昭和の洋食レストランのようなメニューを宣伝でも使っていますよね。
その割には店の客席数はかなり少ないようで、完全に供給不足です。これを楽しみに来園するなら数時間待つ事を覚悟しなければいけません。
そうなると妥協して昭和レトロエリア外の寂れた古い施設でファストフードを食べたりすることになるのですが、情緒のかけらもない簡素な食事に興醒めというか期待とは異なる体験になってしまいました。
一応ビアガーデンのような店もあるようでしたが、かなり値段が高いですし昭和レトロに関係がないので利用しませんでした。
◼️昭和風の建物や表情豊かなキャストの方々による雰囲気づくりはよいが、その他のサービスはあまり品質が高くない。
→ 今回の訪問で残念だったのは、花形の「商店街エリア」の演者やスタッフとその他エリアのスタッフとの間にサービス品質の差を感じた事です。商店街エリアでは誘導スタッフが入店制限をテキパキと誘導していましたが、レオパークの飲食店はオペレーションが非常に遅く、回転が悪すぎるので行列ができていました。私は学生時代にマクドナルドでアルバイトをしていましたがファストフード店では行列ができたらなんとか早く捌いて乗り切ろうとします。一方、西武園の飲食店は店の前に長蛇の列ができていても誰ひとり急ぐ様子がなくゆっくりとオーダーを取っていたので、もう少し改善の余地があるのではないかと感じました。
ちなみに出てきたホルモン炒麺(800円くらい)も冷たかったので、やはりサービス品質はお世辞にも高いとは言えないと感じました(笑)
サービス品質といえば、メリーゴーランドに乗った際も行列ができていましたが案内係の方はなんだかのんびりしていました。園内の飲食店同様に行列になって当たり前、客を待たせるのは普通のこと という感覚があるように感じました。行列に並んでいる人から不満の声が漏れていたので、これも課題と言えると思います。
森岡さんのような優れたマーケターが話題性のあるリブランディングをしても、本当に重要なのは体験の品質だと思います。サービス品質が低ければもう2度目はいいかな、となりますよね。園内通貨「西武園」も当日限りとしているので、再訪には「また行きたい」という明確な動機が必要になります。
正直な、個人的にはしばらくは再訪はしないかなと思っているのですが、この意見が西武園さんに届いて改善の一助となれば幸いです。
それでは!